【完】ある日、恋人を購入した。

「!!」



あたしがそう言ってみきほさんを呼ぶと、みきほさんはあたしの存在に気づくなり驚いたような表情を浮かべる。

みきほさんはダイニングテーブルの椅子に座っていて、その向かいにはみきほさんと同じくらいの若い男の人が座っていた。


ここは…見た感じ、リビング?

でも、それにしては少し狭い気が…。



「あ、あれ?トモちゃん、どうしたの?っていうか、もう大丈夫なの?」

「え、」

「トモちゃん、あれから居酒屋で倒れちゃったのよ。で、あたしがこの家まで運んだの」



みきほさんはそう言うと、「ちょっと飲ませすぎちゃったね。ごめんなさい」とあたしに謝る。

いや、それはいいけど…



「あの、ここって?みきほさんの家じゃないんですか?」



あたしが気になってそう問いかけると、男の人が、口を開いて言った。



「いや、ここは俺の家だよ」

「!」

「だから、さっきまで友香ちゃんが寝ていたのは、俺の寝室。

どう?ぐっすり眠れたでしょ?」

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