【完】ある日、恋人を購入した。
その言葉にあたしがチラリとシュウさんに目を遣ると、その時イタズラっこのような顔をした彼と目が合った。
……と、とにかく、それよりも。
「み、みきほさん、あたしそろそろ帰ります」
「え、」
「だって……明日はお休みですけど、あたし飲みすぎて体調がイマイチ…」
しかしあたしがそう言うと、みきほさんが心配そうに言う。
「え、今から?危ないよ。泊まっていけばいいのに。体調が良くないなら尚更」
「そーだよ友香ちゃん。なんなら俺と一緒に寝、」
「ちょっとシュウは黙ってて」
シュウさんのKYな言葉にみきほさんはバッサリそう言うと、座っていた椅子から立ち上がって、あたしに近づきながら言った。
「トモちゃん。あたしさっきの居酒屋で、トモちゃんに紹介したいお店があるって言ったよね?」
「え、あ…はい……でも、どういうお店だったかは、サッパリ…」
「ううん、もう来てるわ。ここが、トモちゃんに紹介したいお店なの」
「…え?」
「で、シュウはこの店のオーナー」