【完】ある日、恋人を購入した。
しかし…それからその言葉通り待ってはみたものの、友香からの連絡が来ることは無かった。
最後のラインから二週間…三週間…
気が付けば、もう長い間会っていなくて。その間にもやっぱり、送った写メに既読マークはまだつかない。
…もしかして、俺飽きられた?…いやまさか。
だんだん不安に思った俺は、今夜友香のマンションに行ってみることにした。
「尚叶ー。今日飲みに行くぞ」
「ごめん。今日は無理」
「ええー」
「彼女、心配だから」
俺は帰り際に同僚にそう言うと、一人さっさと会社を後にする。
車に乗って…運転すること数分くらい。
客用の駐車場に車を停めて、寒い外に出る。
今日は雪は降っていない。
むしろ晴れていて、久しぶりに月が見えている。
友香が住む階は、4階。
この駐車場からも部屋が見える。
でも、今日は…
……電気が、ついてない…?