【完】ある日、恋人を購入した。
俺は車の傍から上を見上げると、友香の部屋を見た。
普段なら、オレンジ色のカーテンが見えるはずで、電気もついていて…それを見てから友香の部屋に行くんだ。
でも、今日は…電気がついていないどころか、カーテンすら…無い。
「…っ」
それを見てふいに嫌な予感を感じた俺は、車から離れてすぐさま友香の部屋に上がった。
エレベーターを待っている間も不安しかなくて、待っている間もこの感覚がもどかしい…。
俺の勘違いならいいけど、でも今日は勘違いだとは思えない。
エレベーターが来るとすぐにそこに乗り込んで、4の番号を押した。
その間も、寒さなんて忘れてしまうくらい、気持ちが焦って…
…まさか…俺が知らないうちに、引っ越していなくなったなんてことは…。
そう思いながらようやく4階に到着すると、急いで部屋の前まで行った。
…友香に貰った、この部屋の合鍵。
俺はそれをポケットから取り出すと、そのドアにそれを刺しこんだ。
しかし、次の瞬間…
「あら、貴方が“高杉さん”?」
「!」