【完】ある日、恋人を購入した。

その時俺は、突如知らない人に声をかけられた。

…普通の女の人。俺や友香よりも、はるかに年上だと思う。



「…そう、ですけど」



俺が戸惑いながらその言葉に頷くと、その人がいきなり衝撃的な言葉を口にした。



「約束通り、鍵を返しに来てくれたのね。待ってたわ」

「…え?」

「生田さんがこの部屋を出てってから、だいぶ待ってたのよ。なかなかもう一つの鍵を返しに来ないから…。忙しかったのかしら?」



女の人はそう言うと、俺に向かって苦笑いを浮かべて、刺したばかりの鍵を抜く。


でも…ちょっと待って。



「え…“出てった”?出てったって何すか。とも、生田さん…引っ越したんすか?」



俺が困惑しながらそう聞くと、その女の人がきょとん、としながら言う。



「そうよ。…え、知らなかったの?私はてっきり、生田さんがあんなことを言うから…」



…あんなことって?


俺はその女の人の言葉が気になって、その後友香の話を詳しく聞いた…。

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