【完】ある日、恋人を購入した。
でも、そんなあたしを二人は簡単には帰してくれなくて。
「あ、ちょっと待ってトモちゃん!別にね、ここはそんな怪しいお店なんかじゃなくて…!」
「…?」
そして、そんなみきほさんの言葉を、ふいにシュウさんが遮る。
「友香ちゃん、これは人助けなんだよ」
「…え」
…人助け…?
「だって、友香ちゃんだって今フリーなんだから恋人が欲しいだろ?でも、最近じゃなかなか良い人と出会えない。そう思ってない?」
「…、」
「けどね、前まではそれは友香ちゃんだけじゃなかった。みんな恋人が欲しくて、でもなかなか良い出会いがなくて…今じゃネットとかでも出会えたりするけど、それじゃ危ない事件が多発してて危険すぎる。
しかも、恋人がいる人だって、誰かに邪魔されたり相手の気持ちが変わっちゃったり…すれ違いだって起きて、別れる可能性も十分にある。
そこで、俺が考えたのがこの“恋人屋”なんだよ」
「!」
「さっきみきほが言ったように、ここでは恋人を販売してる。ただ、相手の顔を自分で選んで買うことは出来ないけどね。俺が友香ちゃんのデータを元に、確実に合う人を紹介するんだ。
…まぁそれじゃあ不安もあるかもしれないけれど、でも大丈夫。ここで恋人を買った人は、今のところ全員上手くいってるよ」