【完】ある日、恋人を購入した。

「寝てないって…じゃ、じゃあ狸寝入りだったの!?」

「うん。…だって友香距離近いし恥ずかしくて」


そう言うと、少し顔を赤くして、あたしから目を逸らす。ホントはもう起きてるよ、と。

だけど、その照れたような顔はかわいいけれど、そんなの反則ってやつじゃない?

あたしにキスまで、させておいて。(いや、自分からしたんだけど)

狸寝入りだったなんてずる過ぎる。

だからあたしは、尚叶くんに言った。


「…そんなの卑怯だと思う」

「え、そんなこと言わないで。許してよ」

「言うよ。じゃあ許してほしかったら、尚叶くんあたしにキスして?」

「!」


あたしはそう言うと、早速目を瞑って尚叶くんからのキスを待つ。

だけど暗闇の向こうで、「何でそうなるの」と尚叶くん。

顔を見なくても、真っ赤にしているのがなんとなくわかる。

でもあたしは、たまにはこれくらいしてもらわなきゃ困るから。


「早く~」

「!」


あたしがそう言うと…


「じゃ、じゃあ…したら、すぐ忘れてね」

「え、」

尚叶くんはそんな無理すぎる言葉を呟いて、その直後にあたしに…キスをした。






【おはようの勇気/おまけ①】





(おはようのキスの味は?)
(…友香の意地悪)
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