【完】ある日、恋人を購入した。
【おまけ②】



金曜日の夜。

今夜は久しぶりに、友香が泊まりにきていた。

明日は仕事も休みだし、二人でゆっくりしたいから。

で、俺のマンションに泊まりにやって来た友香は、映画をレンタルしてきたらしい。


「二枚借りてきたよ。ホラーちっくなやつと、恋愛映画ね。尚叶くんどっちがいい?」


そう言われ、見せられたのはどっちも観たことがない映画だった。

だけど、どっちも有名になったから知ってる。

俺はすぐにホラーちっくな方を選んだ。

だって、二人きりで観るのに恋愛映画は俺的に照れる。

でも俺が選ぶと、友香が言った。


「あー、やっぱり?言うと思ったよ」

「や、照れ臭いとかそんなんじゃ…ないよ(嘘)」

「じゃあ恋愛映画の方観ようね」

「……」


友香は俺の意思を無視してそう言うと、早速DVDをセットする。

友香は俺の反応を見て楽しむつもりだ。

だったら最初から恋愛映画をセットしたらよかったのに。

わざわざ俺に聞いたのも、きっと彼女の悪戯心だろう。まぁ別にいいけど。

友香はDVDをセットし終えた後、俺の隣にやって来た。

俺は元々ベッドで寝転びながら観るつもりだったけど、この体勢じゃ寝そう。

そしたら友香が「毛布被りたい」と言うから、一枚の毛布を二人で被った。

わ…すげー密着してる。ヤバイ。


「楽しみだね」

「…うん」
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