【完】ある日、恋人を購入した。
そう考えていたその時、尚叶くんは数分もしないうちに中から出てきた。
っ…アレ!?
「も、もういいの!?早くない!?ちゃんと片付けた!?」
「え?……あー、まぁ…」
あたしがびっくりしてそう聞くと、尚叶くんは曖昧な返事をしつつあたしから目を逸らす。
…片付けてたわけじゃないのかな。
まぁそれはさておき、「入っていい」というならすぐにでも中に入りたい。
だって、外は寒くて死にそうだし。
あたしはそう思うと、尚叶くんに招かれるまま玄関に入って靴を脱いだ。
「お邪魔しまーす」
「どーぞ」
「あ、尚叶くん、すごい広くて綺麗なマンションだね。家賃高そう、」
あたしはそう言うと、廊下を進んでリビングらしき部屋に向かう。
わぁ、すごい。わりと天井が高い。それに高層マンションだし、窓からの眺めも良さそう。
それに…疑ってたけど、わりと小まめに掃除してるんだ。
廊下も玄関も凄く綺麗。