【完】ある日、恋人を購入した。

そしてリビングに着くと、リビングは予想以上に広かった。

1LDKかな?隣に繋がる部屋は、ドアが閉まっててわからないけど寝室だろう。たぶん。

リビングには、テーブルとソファーと大きなテレビ。

見た感じ、家具が少なめ。

あ…キッチンの方はどうなってるんだろう。


そうやってあたしが思わずキョロキョロしていたら、それを横で見ていた尚叶くんが言った。



「…あんまジロジロ見んな」

「っ!?」



尚叶くんはそう言うと、後ろから片手であたしの両目を隠す。


だって…有唯くん以来、男の人が住むマンションに来ることってなかなかなかったんだもん。

それに今日は、尚叶くんのことをもっと知りたくてここに来たわけだし。


あたしはそう思って尚叶くんの手からすり抜けると、黒のカーテンが閉まった窓に近付いて、言った。



「もうちょっと見せて!」

「あ…」

「ね、尚叶くんここの夜景ってどんな感じっ?」
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