【完】ある日、恋人を購入した。

あたしは背中越しに尚叶くんにそう聞くと、シャ、とカーテンを開ける。

そして、開けた途端に驚いた。

何にって、だって目の前の夜景が綺麗すぎたから。



「きれー…」



あたしが思わずそう声を漏らすと、背後から尚叶くんが近付いてくる。



「夜景好きだよね?友香」



そう聞きながら隣に並ぶから、あたしは思わず「うん!」と頷いて夜景を見入る。

すると…

また、尚叶くんからの問いかけが横から降ってきた。



「じゃあ、ここ住みたい?」

「うん!」

「結構気に入ってくれたんだ?」

「うん!」

「……だったら、俺のこと買う?」

「うっ…ん!?」

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