Ri.Night Ⅲ
『凌からすぐ電話が来た。……流石に最初聞いた時は信じられなかったよ。凛音が暴走族と……、いや、鳳皇と関わっていたなんて』
貴兄……。
スッと顔を逸らした貴兄は、少しだけ眉を寄せて「はぁ」と小さく溜め息を吐いた。
その何とも言えない複雑な表情に、申し訳なさで一杯になる。
それでも、風皇と出会わなければ良かったとは思わない。
彼等と出会って最初は嫌な事も色々あったけど、最後はあたしを仲間だと言ってくれた。幸せな気持ちにさせてくれた。
そんな彼等にあたしは依存し過ぎたんだ。
あの時、鳳皇と獅鷹が敵対関係にあると煌から聞いた時、鳳皇から思い切って離れていればこんな事にはならなかった。
鳳皇ともあんな別れ方する事はなかったし、貴兄と優音にもこんな顔させる事はなかった。
あたしは何て馬鹿なんだろう。
自分の気持ちばかり優先させて、貴兄と優音の事を全然考えてなかった。
信じている人に裏切られるのがどんなにツラい事かって考えたら分かる筈なのに。
『それを凌から聞いて、確かめる為に凛音に電話した。けど、何回電話しても電話に出なかった』
『………』
『いや、正確には出られなかったんだ。その時、お前等は黒烏に襲撃されていたから』
『……っ、なんで……』
それを貴兄が知ってるの?