Ri.Night Ⅲ
「お前、さっきバイクで現れた奴の一人だろ?りっちゃんを乗せてた奴」
なっ……!?
突然発せられた彼方の言葉に目を見開いて驚く。
……もしかして、さっき見てたの?
ううん、そんな事よりも。
なんで皆あの場所を知ってたの?
なんであたし達が来る事を知ってたの?
何で、何で、何で。
その言葉が脳内でグルグルと渦巻く。
けど、いくら考えてもその答えは見つからない。
「……そうだと言ったら?」
表情一つ変えず彼方に向けてそう言い放った貴兄に、ぞくりと身震いがした。
交わる視線にその場の空気が悪化していく。
「……っ、凛音、どういう事だよ!何で……何でお前が獅鷹と関わってる!!」
「………っ」
貴兄に向けていた視線をあたしに移し、声を張り上げる煌。
その険しい表情に身体がビクッと揺れ動き、俯いた。
「煌」
壱さんの制止する声が響いて、煌が舌打ちしながらあたしから視線を外す。
だけど直ぐに睨まれて、何も言えなくなった。
痛すぎるその視線から逃れようと、どうにか身体を動かすけれど、身体は金縛りにあったかのように全く動かない。
五人の視線がジワジワとあたしを追い詰める。