Ri.Night Ⅲ
陽の問い掛けに応える者は誰もいなかった。
ただ言葉だけが静かな公園に木霊し、消えていく。
十夜を除く四人は眉間に深くシワを寄せ、睨むように貴兄を見据えていた。
一方貴兄は気にも留めていないとでも言う様に無表情で。
いや、寧ろ余裕と言った表情で笑みを浮かべているように見えた。
「……ハッ。まさかあの時の男がお前だったなんてな。どうりで強ぇ筈だ」
「………」
「……テメェ、なんで凛音を連れて行きやがった!!」
「……っ、煌!止めて!あたしが、あたしが……!!」
「あの時忠告した筈だ。“後悔する”と。捜さない方がお前等の為にもコイツの為にも良かったのに」
「………っ」
“後悔”
“お前等の為にも”
“コイツの為にも”
貴兄の言葉が心に重くのし掛かる。
貴兄の、言う通りかもしれない。
現に今、この“事実”にみんな驚いている。ショックを受けている。
あたしを見る目が、
その表情が、
そう言ってる。
当然だと思う。
仲間だと思っていた人が敵対してるチームと関わっていたのだから。
ショックを受けて当たり前だ。
「何でテメェが凛音を連れて行く?」
一段と怒りの籠ったその声は背筋が凍るほど冷たくて、自分に言われた訳じゃないのに冷や汗が流れた。