Ri.Night Ⅲ
『それに、“その姿”はあたしの為にしてくれたんだよね?だから貴兄が謝る必要なんてない』
『……違う。“この姿”は自分の為だ。凛音から鳳皇を断つ為、アイツ等に凛音の居所を見つけ出させない為。全て、自分の為だ』
『貴兄……』
あたしの涙を親指で拭いながら小さく微笑む貴兄に、違うよ、と首を振る。
『それでも嬉しかったから。貴兄のお陰で……』
獅鷹と関係ある事がバレずに済んだのだから。
あたしは醜い。
本当は十夜達にも“全て”を話さなきゃいけなかったのに。
話した上で謝らなきゃいけなかったのに。
そう頭では分かっていても、心の奥では獅鷹の事がバレなくて良かったと思ってる。
あたしの心は、醜くてキタナイ。
『──凛音、話してくれるか?アイツ等と何があったのか』
『……うん』
──話すよ。全て。