Ri.Night Ⅲ


「時人くんもこんな朝っぱらからどうしたの?」


そう問いかけながら時人くんの肩にちょこんと乗っているフーコに手を伸ばすと、それを見たフーコが伸ばした腕の上をちょこちょこと歩いてあたしの首に巻き付いてきた。


くそぅ。可愛いじゃないか。


「フーコとジュニアが凛音に逢いたがってたから遊びに来たんだ。僕も凛音と遊びたかったしね」


「時人くん……」



昨日マリオカートに負けたのよっぽど悔しかったんだね……。


顔に似合わず負けず嫌いな時人くん。

帰って来たらマリオカート付き合ってあげよう。



「時人!テメェ、イタチのしつけぐらいちゃんとしとけ!って、イテッ!足癖悪ぃぞ、お前!!」



ジュニア相手に本気で喧嘩している大人気ない富士山は見事噴火していた。


ぱっくり割れた割れ目から何か飛び出してきそうなんだけど。



「嵐がイタチって言うからだよ。

ほら、ジュニアおいで。富士山が噴火する前に避難しなきゃ」



いや、もう噴火しちゃってるよ。時人くん。



「誰が富士山だ!!ったくコイツ等は飼い主に似たんだな」


ジュニアを睨んでそう吐き捨てる嵐ちゃんに、ジュニアが時人くんの肩の上で飛び跳ねる。


……ったく、そんな事言うから蹴られるんだよ。



「あ、忘れてた。さっき貴音から聞いたんだけど、凛音、今日友達と約束あるんだって?もう10時半だけど時間大丈夫?貴音心配してたよ?」


「え、10時半ー!?ヤバイ、遅れる!!」


時人くんの爆弾発言に慌ててベッドから飛び下りる。


時人くん、それを一番最初に言ってよー!!

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