Ri.Night Ⅲ


鳳皇と別れた次の日、あたしは溢れる気持ちを心の中に溜め込んでおく事が出来なくて、妃奈に電話をした。


鳳皇と離れて地元に帰っている事も、学校を辞めて転校する事も、妃奈には事前に話していたから、あたしは電話が繋がった途端泣き出してしまった。


『大丈夫。ゆっくりでいいから』


嗚咽混じりで説明するあたしを『うんうん』と相槌を打ちながら聞いてくれた妃奈。


最後は一緒に声を出して泣いてくれて。


妃奈が居なかったらあたしはここまで元気になってなかったと思う。



話を聞いてくれた妃奈。

傍に居てくれた貴兄達。


皆が居てくれたから今のあたしがいる。

本当に感謝してもしきれない。



あたしの気が済むまで話を聞いてくれた妃奈は何故か最後ぶっ飛んでいて。


『凛音ちゃん!あたし今から凛音ちゃんち行くね!』


突然突拍子もない事を言い出した。



数日前、田舎のおばあちゃんちに行くと言っていたのを覚えていたあたしは、慌てて妃奈を止めた。


すると、『じゃあ、あと2、3日したら帰るから、週末凛音ちゃんに逢いに行くね』と渋々承諾してくれた妃奈。


わざわざこっちにまで来てくれる妃奈に何も言えず、結果、週末こっちで遊ぶ事になった。



次の日、貴兄に『週末友達が遊びに来るから』と言うと、『遠くから来てくれるんならその日は泊まって貰え』と言われ、それを妃奈に伝えると妃奈は大喜び。


理由を聞いてみると、初お泊まりなんだとか。

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