Ri.Night Ⅲ



『……プッ。彼氏と彼女だって』

「男装完璧だね」


妃奈を離してププッと笑うと、同じく妃奈も小さく肩を揺らして笑った。



妃奈の顔を見ただけでこんなにも心が落ち着くなんて思わなかった。

やっぱり女友達って最高だ。



『妃奈、ありがとね?』


色んな意味を込めてお礼を言う。


すると、妃奈は「あたしもありがとう。リンくんに逢わせてくれて」とニッコリはにかむ様に微笑んで、その後チラッと舌を出した。


まさかそんな返しが来るなんて思っていなかったあたしは、きょとんと目を見開いて妃奈を見つめる。


クスクスと楽しそうに笑う妃奈に肩を竦めて、


『妃奈が望むならいつでもするけど?』


お返しと言わんばかりににやりと笑ってやった。


すると、次は妃奈の方がぱちくりと目を見開いて、


『プッ……!』

「プッ……!」


顔を見合わせて笑い合った。



『妃奈、行こっか』

「うん!」


妃奈と友達で良かった。

心からそう思うよ。

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