Ri.Night Ⅲ
「あっ!」
暫くの間考え込んでいた妃奈が何かを思いついた様に両手をパチンと叩く。
その仕種に萌えながら、『ん?』と首を傾げて次の言葉を待つと、
「あたし、コーンスープが飲みたいな」
「へ?」
妃奈の口から飛び出した予想外の言葉に思わず素の声が出てしまった。
い、今、何て?
あたし、耳が悪くなった?
試しにもう一度聞き返してみる事にした。
『妃奈、何て?』
「コーンスープが飲みたい!」
嬉しそうに笑う妃奈に頬が引き攣る。
どうやら聞き間違いじゃなかったらしい。
こ、コーンスープか。
それはお昼ご飯になるのか?
あまりにも嬉しそうに笑う妃奈に何だかそう聞き返すのが悪い気がして、取り敢えず笑い返しておく。
えぇーっと?
コーンスープって何処にあったっけ?
笑みを浮かべている裏では必死にコーンスープの在処をリサーチ。
脳内で“コーンスープ所在地”と検索していると……。
『あ、あった』
それは探さなくても目の前にあった。
視界に飛び込んで来たのは全国に何千店舗もある有名なファミレスの看板で。
……チッ。無い脳みそを無駄に使ったよ。勿体無い。