Ri.Night Ⅲ

後ろでは女達がさっきと変わらないテンションでキャイキャイ騒ぎながらメニューを見ている。


気にせず食べよう。


そう言い聞かせて、落としたスプーンを手に取ってコーンスープを口に運んだ時だった。



あたしと背中合わせに座っていた女が、ぼそり、呟いた。


それはギリギリ聞き取れるぐらいの小さな声で。


妃奈の表情に変化がない所を見ると、どうやら妃奈には聞こえなかったらしい。




“ねぇ。後ろに居る女、あの女の友達じゃない?”



まさか、女達が妃奈を知っていたなんて……。




背中を向けているあたしには女達の様子が分からないから、全神経を集中させて聞き耳を立てた。


気にしないと自分で言っておきながらも結局気にするあたしは、大馬鹿だとしか言えない。



心の中で自嘲気味に笑っていると、一人の女が口を開いた。


そして、それが始まりの合図だとでも言う様に口々に喋り始める他の女達。

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