Ri.Night Ⅲ
込み上げる怒り。
その感情は確かに存在しているのに、何故か妙に落ち着いていた。
そして、さっきまで動揺していた心も嘘みたいに静まっている。
「………っ」
鋭い視線を向けているのにも関わらず、頬を赤らめてあたしを見上げる女達。
その視線に吐き気がした。
心が冷えていくのが分かる。
『──人の悪口ほど醜いものはないと思うけど?』
「………っ」
あたしが発したその言葉にグッと息を呑んだ女達。
染められた頬の赤みが更に増していく。
その顔にクッと笑みが零れた。
『次は許さねぇから。言ってる意味、解るよな?』
そう言い放つと、赤く染められた女達の顔色が一変し、青ざめていく。
『次はないと思え』
追い討ちをかけるように冷笑を浴びせると、一人一人に睨みを利かせて踵を返した。