Ri.Night Ⅲ
『妃奈、ごめんね。本当にごめんっ!』
直ぐ様掛け下りて行って妃奈を抱き締める。
妃奈、嫌な想いさせてごめんね。
妃奈が嫌な想いをする必要なんてないのに……。
あたしと友達だっていうだけで妃奈に嫌な想いをさせてしまった。
最低だ。
「ううん。リンくんは悪くないよ。あたしは何も哀しい想いなんてしてない。哀しいのはあたしじゃなくてリンくんでしょ?」
『妃奈……』
ぎゅっと強く抱き締めてくれる妃奈に涙腺が緩む。
「一番哀しいのはリンく……凛音ちゃんでしょ?あの人達が言った言葉に傷ついたのは凛音ちゃんでしょっ!?」
『……っ、妃奈……』
「どうして凛音ちゃんだけツラい想いをしなきゃいけないの?何で知りたくもない事を聞かされなきゃいけないのっ!?」
妃奈……。
耳元で悔しそうに呟かれる言葉に何も返事出来なかった。
その言葉はさっき、あたしが心の中で思っていた事そのままだったから。
やっと気持ちが落ち着いてきたのに、それを一瞬でにして壊されてしまうなんて。
『妃奈……』
妃奈の言った言葉はあたしの心の声。
さらけ出してしまいたいあたしの心の声。
……けどね。
妃奈の言葉の中に一つだけ訂正しなきゃいけない事があるの。