Ri.Night Ⅲ
ったく、本人が来るんならあたしが買いに来なくても良かったじゃない。
『って何物色してんだよ!目当てはコーラだろ!?』
再び飲料コーナーを物色し始めた嵐ちゃんに声を張り上げて突っ込む。
「時人にも頼まれてんだよ。あと、イタチ二匹のも」
『はぁ?ジュニアとフーコは水だろ』
ジュース飲むフェレットとか聞いた事ないし。
ってか飲んだら駄目でしょ。
「お前じゃねぇんだからそんな事分かってるっつーの。水を選んでんだよ」
は?水?水道水じゃないの!?
どれだけ贅沢なのよ!
「ホラ、お前も選べ。妃奈ちゃんの分もな」
『えっ!?買ってくれんの!?』
「いらねぇんならいいけど」
『いるいるいる!嵐ちゃん太っ腹!!』
筋肉の塊を横からバシッと叩いて、口笛を吹きながらジュースを物色する。
「ったく相変わらず現金な奴だな」と隣から聞こえてきたけど知らん振り。
そんな事よりジュースジュース。
あたしはファ○〇タ梅味でしょー。妃奈はー……ミルクティかな。
それとー……。
「オイ、テメェ!さりげなくカゴに菓子入れてんじゃねぇよ!」
ありゃ。バレた。
嵐ちゃんがジュースを選んでいる間にお菓子コーナーへ移動したあたしは、ここぞとばかりに好きなお菓子をカゴへ投入。
直ぐにバレちゃったけど。
『よっ!嵐ちゃん太っ腹!』
後方から迫り来る嵐ちゃんにヘラッと笑って、ダッシュでレジへと逃げる。
分かってますよ~だ。自分の分ぐらい自分で買うもんね。