Ri.Night Ⅲ
「いや、その……」
なに!?その可愛い顔!
微かに頬を染めて恥ずかしそうに顔を伏せる妃奈にピンクな妄想が膨らむ。
『妃奈?』
急かすように呼ぶと、顔を上げた妃奈が小さく口を開いた。
「さ、さっきね、お手洗いから帰ってきたらベンチにリンくんが座ってるのが見えて、驚かそうと思って後ろから抱きついちゃったの」
『………へ?』
ベンチ?あたしが?
「馬鹿か。お前はコンビニに居ただろうが。妃奈ちゃんはお前と優音を間違えられて抱き着いたんだよ」
『あ、なるほど!』
それで照れてんのね。
「ホントごめんなさい!まさかこんなにも似てるとは思わなくて……」
『妃奈……可愛すぎる!!』
必死になって優音に頭を下げている妃奈が可愛くて、ガバッと抱き着いて見悶えた。
あたしと優音を間違えて抱き着いちゃうとかホント可愛い。
『似たような格好してる優が悪いんだから妃奈は謝らなくていいよ』
妃奈の頭をヨシヨシしながらそう言うと、
「お前が俺と似たような格好してんだよ」
優音にゴンッと頭頂部を殴られて、「いたっ」と頭を押さえる。
あ、そっか。あたしが優音に似てるのね。
『ごめーん』と優音に謝って、妃奈から離れた。