Ri.Night Ⅲ
嵐ちゃんに買って貰ったジュースをコップに注ぎ、お気に入りのお菓子と一緒にリビングへ。
ジュースとお菓子をテーブルの上に置いて、騒がしい四人組を避ける様に時人くんの隣に腰を掛けた。
座った途端、待ってましたと言わんばかりに飛びついてくるジュニア。
「ふふ。妃奈ちゃん捕まっちゃったね」
「だねー。あの三人の相手は疲れるのに」
テンション上がりまくりの三人に早くも押され気味の妃奈。
見てたら可哀想になってきた。
いつまで持つのやら……。
けど、楽しそうにゲームしてるから良かった。
笑ってる妃奈を見てフフッと笑みが零れる。
「貴兄と慧くんは倉庫に行ったの?」
嵐ちゃんの言葉を信じていない訳じゃないけど、姿が見えないから何となく確認。
「うん。ついさっきね」
「……そっか」
どうやら嵐ちゃんが言った事は本当だった様だ。
最近、貴兄と慧くんは家に居る事が少ない。
倉庫に行ってるというのは分かってるんだけどね。
地元(こっち)に帰ってきてからは貴兄が丸一日家を空けるという事はなくて。
けど、“あの日”から何かに解放されたみたいに家に居る事が少なくなった。
ううん、違う。
“あの日”の少し前からだ。
疑問に思って、一度優音に聞いた事がある。
すると、優音の返事は“他のチームとトラブってる”というものだった。
嘘か本当かは分からないけど、優音の口振りを見る限りでは嘘をついている様に見えなかった。