Ri.Night Ⅲ


チームがトラブっているのにも関わらず、ずっとあたしの傍に居てくれた貴兄。


自分がどうしても行かなきゃいけない時はあたしの傍に誰かを置いて行ってくれた。


あたしの事をそこまで考えてくれている貴兄と、何も言わず傍に居てくれる皆に感謝の気持ちが込み上げる。


本当に感謝してもしきれない。



きっと貴兄は“あの日”、鳳皇をスッパリ切ったあたしを見て感じ取ったのだろう。 もう、大丈夫だって。


だから家を空ける事が多くなったんだと思う。




あたしが鳳皇と中途半端な別れ方をしたせいで悩んでいた事を貴兄は見抜いていたんだと思う。


全てを隠したまま去ったあたしの心は、どんなに日にちが過ぎても決して晴れる事はなかった。


黙っていた、何も言わずに去ったという罪悪感が重くのし掛かり、あたしはなかなか前に進めないでいた。


けど、みんなに逢って全てを告げ、謝った事で少しだけモヤが晴れた。


罪悪感は完全に無くなった訳ではない。

今でも罪悪感は感じている。


黙っていたという罪悪感は消えたけど、その代わり、新たな罪悪感を背負う事になってしまった。


それは真実を告げた事によって皆を傷付けたということ。


仲間だと思ってくれていた皆をあたしは深く傷付けた。


許して貰えるとは思っていない。

許して欲しいなんて自分勝手な事も思っていない。



あたしはこれから、“皆を傷付けた”という罪悪感を背負って生きていく。


皆を傷付けてしまった事を絶対に忘れない。


自己満なのかもしれないけど、それが大好きだった皆への精一杯の懺悔だから。


あたしは、皆を想って前に進む。
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