Ri.Night Ⅲ
テラスを下りた所では早くも遊大が蝋燭に火をつけていて、酔っ払い嵐ちゃんにつけては消されつけては消されと地味な嫌がらせをされていた。
……最早あれは気の毒としか言いようがない。
弄られるのは遊大の天命だからね。仕方ないよ。
諦めるんだ、遊大。
二人の真横では後片付けをし終えたらしい妃奈と時人くんがジュニアとフーコを交えてお喋り。というか遊んでいた。
「凛音、コレ下に持っていけ」
「はーい」
あたしが呑気にみんなを観察している間、優音はパッケージから花火を取り出してやりやすい様にバラバラにしていたらしい。
手渡された花火を見るとご丁寧に籠にまで入れられていた。
それを見て流石優音だなぁと感心。
花火をしながら取り出していくのって結構面倒臭いもんね。
これならわざわざ手を止めなくてもいいし。
優音ってホント気が利く。
優音に手渡された籠をみんなの所に持っていき、遊大の掛け声で一斉に花火が始まった。
うちの庭はママのこだわりがあって、庭の真ん中に小さな噴水がある。
その周りにはレンガが敷き詰められていて。
噴水は動いていないけど水は張られているから、よくその中でフーコとジュニアが水遊びをしていた。
実は今もジュニアが水に飛び込もうとしているのを時人くんが必死で止めていたりする。
と言うのもジュニアが花火にビビったからなんだけどね。
そりゃビビリもするよ。
ジュニアは花火なんて初めて見たんだろうし。