Ri.Night Ⅲ
51.戸惑う心

────…


「じゃあ、妃奈ちゃんまたね」

「また遊びに来てな」

「はい!また遊びに来ます!」


玄関の前で二人並んで妃奈に手を振る時人くんと嵐ちゃん。


別れの言葉を告げる二人に妃奈が「お世話になりました」と笑顔で頭を下げる。



なーにが「また来てな」よ。

ココはあたしんちだっつーの。


まぁ、二人はそう言ってもおかしくない程毎日此処に入り浸ってるけどさ。




昨日から早くも一夜が明け、妃奈が帰る時間になった。

楽しい時間ほど過ぎるのは早い。


バーベキューが終わった後、後片付けをしたあたしと妃奈は一緒にお風呂に入った。


湯船に浸かりながら色々話し、その後二人で身体を洗い合いっこ。


お風呂から出たと思ったら遊大に無理矢理ゲームに付き合わされ、気が付けばお風呂に入った意味がないっていうぐらい汗をかいていた。


ギブアップしたのは午前様を遥かに回った頃。



部屋に戻りダブルベッドに並んで寝ると、さっきの疲れは何処へ行ったのか。


色んな話題が口からポンポン飛び出した。


眠たい筈なのに会話は途絶える事なく続いていく。


時に笑い、時には泣いて。


誰にも言えなかった想いを最後の最後に妃奈にぶつけた。


そんなあたしの想いに妃奈も一緒になって泣いてくれて。


あたしは絶対、昨日の夜の事を忘れない。


あたしと妃奈の、秘密ごと。

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