Ri.Night Ⅲ
────……
「ねぇ、貴兄。これからどっか行くの?」
朝御飯を食べ終わり、ソファーで寛いでいるあたし達。
チャンネルを色々変えていると、ふと朝、優音が言った事を思い出して聞いてみた。
「あ~……」
「……なに?」
あたしの問いかけに何故か前屈みになったり首を傾げたり、意味不明な行動をし始めた貴兄。
しかも、「あ~」だの「ん~」だのよく分からない呻き声上げてるし。
意味分かんないんですけど。
あたし、そんな難しい質問したっけ?
「貴兄、どうせ言わなきゃなんねぇんだからさっさと言ったら?」
「……んー、そうだよな……。ホントは行かせたくねぇんだけど……」
観念したようにそう言った貴兄は、小さく溜め息を吐いた後、控えめに口を開いた。
「凛音に頼みがあるんだ」
「頼み?」
急に真顔になった貴兄に首を傾げる。
「一緒に行って欲しい所がある」
「一緒に行って欲しい所?」
「あぁ」
「どこ?」
「………」
「貴兄、はっきり言えって」
「……そうだな」
何?二人でアイコンタクトしないでよ。気になるじゃん。
「遊大(ユウダイ)が帰って来たんだ」
「……え?」
遊大?
「えっ!遊大が帰って来たの!?」
コップをテーブルの上に置いて、直ぐ様貴兄に詰め寄る。
「ははっ。思った通りの反応だな」
深くソファーへと背中を沈めた貴兄が、落ち着けとでも言うように両手を突き出してきた。