Ri.Night Ⅲ
「丁度腹も減った事だし。此処から繁華街近いんだろ?飯食いに行くついでに買ったらいいじゃん」
──繁華、街……?
返事を聞かずに立て続けにそう言った遊大に、胸が小さく疼いた。
「……え、えー。面倒臭いー、遊大行ってきてよ」
「オイ。面倒臭いとか言うな。お前腹減ってねぇのかよ。っていうか俺この辺詳しくねぇし」
「ガムテープなんか何処に売ってんのか知らねぇよ」と不満げに唇を尖らせる遊大にウッと黙り込む。
その間優音は難しい顔で何かを考えていた。
当然だよね。
優音はあたしに何があったのか知っているし。
遊大は知らないから簡単に行こうって言えるんだ。
「……優音、買いに行こっか」
多分、彼等と出逢うことはないだろう。
雷さんのお店は同じ繁華街でも反対の所にあるし、あたしが鳳皇に居た時もこっち側の繁華街には滅多に来なかったから。
もし出逢ったとしても大丈夫。
だって、あたしにはもう関係ないから。
“──ごめんな”
この言葉が意味しているものは一つしかない。
例え逢ったとしても、結果はもう分かってる。
あれ以上の拒絶はもうない。