Ri.Night Ⅲ
────…
「へー、こっちも結構賑わってんなー」
「遊大、あんまキョロキョロすんな。恥ずかしいだろ」
キョロキョロと見回しながら歩いている遊大に優音の鉄拳が飛ぶ。
それをあたしは少し離れた所から見ていた。
こういう時は他人のフリするのが一番だ。
まぁ、人が多いから遊大の行動はそんなに目立ってないんだけど、それでも恥ずかしいものは恥ずかしい。
「凛音が素のまま歩いてんの変な感じする」
「あー、滅多にないもんね」
遊大も獅鷹幹部だから、一緒に外出する時はリンの格好ばかり。素の格好は家で居る時ぐらいだ。
「……俺、リンより凛音の方がいい」
「優音……」
突然そんな事を言い出した優音にキュンとときめいて。
照れ臭そうなその表情に激萌えする。
リンじゃなかったら抱き締めるのに……!
弟に対してそんな事を思うあたしはきっと相当な姉馬鹿なんだろうけど、こんな可愛い笑顔を見たら誰でも姉馬鹿になると思う。