Ri.Night Ⅲ
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「はぁ……疲れた……」
作業をし始めて数時間が経った頃、流石に疲れが出てきて一旦休憩する事にした。
持っていた服をポイッと放り投げて、「んー!」と大きく背伸びをする。
一人で作業するのってある意味退屈だ。
話し相手がいないとつまらない。
まぁ、その分黙々と作業をするから、はかどると言えばはかどるんだけどさ。
「もう四時かぁ……」
未だに壁に掛けっぱなしの時計に目をやると、表示されている時間は何ともまぁ微妙な時間で。
「どうしようかな。もう帰ろうかなぁ……」
ここから家まで電車を乗り継ぐと大体一時間半程かかる。
となると、そろそろ作業を終えて帰った方がいいかもしれない。
実は今日、此処に来るっていうこと貴兄達には言ってなかったりする。
毎回手伝って貰うのも悪いと思ったし、何より貴兄達に言う時間が無かった。
十夜と逢ったあの日から約一週間。
その一週間で貴兄と逢ったのはほんの数回程度しかなく、優音は頻繁に帰って来てくれたけど、それでも前よりは回数が減っていた。
最近貴兄が忙しいのは知っていたけど、十夜に逢ってからこっちの忙しさはこれまでで一番と言っていい程で。
そんな貴兄と優音に引っ越しを手伝ってなんてとてもじゃないけど言えなかった。
「よし。帰ろう」
別にバレたら怒られるとかそういうのじゃないけど、二人共心配性だから。
……という訳で、今日の作業は終わり!