Ri.Night Ⅲ
そこら辺に散らかしまくった服やら段ボールやらを一ヶ所に纏め、換気の為に開けた窓を全て締めて戸締まり漏れがないかどうかを確認する。
全て確認し終えると、身仕度を整えて帰る準備をした。
「電気良ーし!」
玄関でノーヒールのパンプスに爪先を通し、くるりと半回転。
靴箱の上に置いてあった鍵を持って、最後に残していた頭上の電気を消して玄関を開けた。
鍵を閉め、ドアノブを回してきちんと閉まったかどうかを確認する。
よし、帰るか!
エレベーターに乗り込み、放置してたスマホをポケットから取り出してメールのチェック。
……どうしよう。貴兄に連絡しておいた方がいいかな?
いや、でも、一時間もあれば着くし……。
まぁ、いいか。
エレベーターを降り、スマホを見たままエントランスを歩いていく。
自動ドアが開いたところで顔を上げると……。
「なっ……!?」
目の前に、今、一番逢いたくない人が居た。
「……っ、なんで……っ」
突然目の前に現れたその人を見て、ぴたりと足が止まる。
「──凛音」
「……っ」
……なんで、なんで十夜が此処にいるのっ!?