Ri.Night Ⅲ
『っていうか、こんなとこで何してんのよ』
「バッカッ!お前喋り方!!」
『ふがっ……!』
物凄い勢いであたしの口を手で塞ぐ遊大にウッと息が詰まる。
ちょ、苦しいってば!!
「お前喋んなよ!?喋ったらおん……ゥグッ、」
って、アンタがバラそうとすんな!
遊大のお腹に拳をめり込ませて、素早く遊大の背後に回って首根っこを掴む。
このまま此処にいたら絶対どちらかがボロを出すと思ったあたしは、再び腕を掴んで更に人気のない所へ引き摺っていった。
『で?一年ぶりの遊大くんはこんな所で何してんだよ』
首を押さえながらゲホゲホと咳き込んでいる遊大を仁王立ちで睨む。
「その一年ぶりの友達をもっと優しく扱えよ!怪我治ったばっかりなんだから!」
『あ、そうだった。ごめんごめん!』
ついいつもの調子で接してたけど、そういえば遊大、手術して帰ってきたんだった。
「ったく、お前は相変わらずだな。高校生になってちょっとは女らしくなったかと思ったのに」
フンッと小馬鹿にしたように鼻で笑った遊大にムッと唇を尖らせる。