Ri.Night Ⅲ


『十分女らしいでしょうが』


「はぁ?どこが?」



お前の何処が女らしいんだよ的な顔であたしを色んな角度から覗き込んでくる遊大に、フツフツと怒りが込み上げてきた。



『その女らしくねぇ奴を好きだったのはどこのどいつだっつーの』



フンッと鼻を鳴らしてそう吐き捨てれば、



「なっ!?そそそそそそんな事知らねー!昔の事だろ!!」



その一言に動揺しまくる遊大。


必死に誤魔化そうとしてるのか、あたしの身体をグイグイと押して引き離してくる。



相変わらず馬鹿だ。


動揺しすぎて自分が何を言っているのか分かっていないらしい。


知らねーって言いながら昔の事だろって、結局は知ってるって事じゃん。



『お馬鹿な所は変わってなくて安心したよ』


「あ?意味分かんねぇし。っていうか俺好きな奴いるしな」


『えぇっ!?』



遊大の思わぬ爆弾発言に今度はあたしが動揺してしまい、ズッコけそうになった。


ゆ、遊大に好きな人!?



「お前、ビックリしすぎじゃね?」


『そ、そりゃビックリするでしょ!だって向こうに行く前はいなかったじゃん!』


うん、確かにいなかったはず。


って事は、もしかして!?



口を金魚みたいにパクパクさせながら、遊大を指差す。



「いやぁ~、実は向こうで好きな人出来てさ~」


やっぱりー!!


ヘラッと照れ臭そうに笑う遊大に驚きが隠せない。



ゆ、遊大に好きな人?

向こうで?


それって……。

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