Ri.Night Ⅲ
『もしかして、遊大金髪ピチピチギャルゲットしちゃったのー!?』
「アホか!!」
『いってぇー!』
遊大の稲妻並みに強烈なグーパンチがあたしの前頭部に炸裂して、あまりの痛さに両手で頭を押さえながら立ったまま身悶えた。
何よ!金髪イケイケギャルじゃなかったら何なのよ!!
ハッ!もしかして黒髪お色気美女とか!?
「……言っとくけど、黒髪お色気美女でもねぇぞ?……いや、黒髪美女ではあるか?」
どっちだよ。
喋っている内に愛しの彼女を思い出したのか、ポッと頬を赤らめてにやにやと口元を緩める脳内花畑男。
その緩みきった顔があまりにも情けなくて、これ以上構うのがアホらしく思えてきた。
……という訳で、脳内のお花畑が満開になる前にこの話題を早々に切り上げよう。
『良かったですね~黒髪美女で。じゃ、バイバイ』
脱力仕切った手を左右にひらひらと振り、くるりと踵を返して歩き出す。
「ちょ、待てってリン──」
そう言って、背後からガシッと腕を掴まれた時だった。
「あ、遊大くん居た!」
背後から聞こえたのは可愛いらしい女の子の声。