Ri.Night Ⅲ

「は、遥香(ハルカ)ちゃん!」


遥香ちゃん?


ヤベッとでも言う様に何故か慌て始めた遊大に何だ何だと首を傾げる。



「ごめん!さっきダチと会ってさ、人が多かったから移動したんだ」


「ダチ?あ、ごめんなさいお邪魔しました?」


『え!?あ、いや、全然大丈夫です』



突然向けられた視線に慌てて返事する。




ちょ、何、この人、すっごい美人なんだけど。


腰近くまであるサラサラの髪の毛と真っ白な肌。


艶やかな漆黒色の髪の毛が大和撫子を連想させて。


切れ長な瞳が印象的な超美人……って、もしかして……。



『さっき言ってた黒髪──いっ”』


「リンくーん。ちょっと黙りましょうねー」


ガッと頬を指で掴まれて、アヒル口にされる。


ひぃぃぃぃぃぃ……!


遊大から放出される邪悪なオーラにコクコク頷いて、お口チャック。


どうやらコレは禁句だったらしい。



「余計な事言うなよ?」


そう念を押した遊大は、あたしの口から手を離すと黒髪美女に向き直った。



「ごめんね、遥香ちゃん」


……うわー。


笑顔で対応する脳内花畑男にまたしても鳥肌が。


遊大くん、黒髪美女に猫被ってるのね。



「って、アレ?一人?」


「そうなの。遊大くん探してたらはぐれちゃって……って、あっ居た!葵(アオイ)!」

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