Ri.Night Ⅲ


陽は凛音と再会したあの日から、毎日欠かさず倉庫に来ている。


あの日、凛音を送っていくと言い出した十夜と別れた俺達は、先に倉庫へ帰って十夜の帰りを待った。



『──悪い。遅くなった』


十夜が帰って来て、ようやく揃った鳳皇幹部。


壁際で膝を抱えていた陽をソファーへ連れてきて、これからどうするかを話し合った。


陽を迎えに行く車内で既に話し合っていたせいか、話し合いはものの十分ほどで終了。


すんなり決まったのは、分かっていたから。


それが凛音を取り戻す手っ取り早い方法だと言う事を。


だけど、十夜の了承を得なければその行動には移せなかった。


獅鷹との関わりで被害に遭ったのは総長である十夜だったから。


俺等は凛音の事がなければ獅鷹と和解しようなんて思わなかった。


勿論、こっちに否がある事は十分承知している。


だけど、こっちもやられたんだ。


下っ端ではなく鳳皇総長を。


総長を傷付けられたら、例えこっちが悪くても相手に牙を向けるのは当然の事だと思う。


だけど、今回和解するという事は傷付けられた本人が言い出したこと。


十夜が良いと言えば俺達はそれに黙って頷くしかない。


考え抜いて出した結論が“和解”なんだ。


俺達に他の選択肢はない。

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