Ri.Night Ⅲ
黒髪美女、遥香さんが手を挙げると、それに気付いた一人の女の子がホッとした表情でこちらへ向かって走ってきた。
っていうか、また美女が増えたんですけど!
いや、美女って言うより美少女って言った方が正しいかもしれない。
「遥香!遊大くん!もう何処行ったのかと思ったよ~」
そう言いながら走ってきたのは、遥香さんとは正反対の可愛いらしい女の子。
いや、可愛いってもんじゃない。天使だ天使。
目はクリンクリンで、顔は手のひらサイズしかなく、背なんかあたしの肩ぐらいしかない。
どうしよう。可愛いすぎる。
「リン、抱きついたら駄目だからな」
『グッ、』
なんで分かったの!?
手を出し掛けた所で遊大に止められて、仕方なくその場で踏み止まる。
「お前、“リン”だろうが」
『あ』
そうだった。
あたし今男だったんだ。
ヤバイヤバイ。この姿で抱き着いたりしたら変態だよ。
「遊大くん?その男の子誰?」
コテンと首を傾げながらそう言った女の子はジッとあたしを見つめてきて、その上目遣いにやられてしまった。
ヤバイ!可愛すぎるっ!
「コイツは俺の友達のリン。幼馴染みなんだ」
「えっ、遊大くんの幼馴染み?」
『は、初めまして、リンです』
あたし女なのに何でこんなにドキドキしてるんだろう。