Ri.Night Ⅲ





……なんか、緊張する。


いざ中へと意気込んだものの、なかなか中へ入れずドアと睨めっこしているあたし。


入った途端嫌な顔をされたりしたらどうしようとか、もしかしたら無視されるかもしれないとか。


そんな思いが脳内でグルグルと渦巻いて、なかなか中に入る事が出来ない。





「何してんだよ。後ろ詰まってんだろ」


『ぅわっ!!』


あ、と言う暇もなく優音にドアノブを回されて、ドンッと背中を押される。


と、次の瞬間。


「行け!フーコ!!」


突然そんな声が聞こえて、思いっきり顔面に何かがぶつかってきた。



『ちょ、何!?』


顔を押さえようにも“それ”は顔全体を覆っていて押さえられない。


当然前も真っ暗で何も見えない訳で。


っていうか、この感触とこのニオイは……。



『フーコ!?』


「ピンポーン当ったりー!」



ガシッと掴んで引き離したのは時人くんが飼っているフェレットのフーコ。

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