Ri.Night Ⅲ
「お前失礼な奴だな。カッコイイーと言え」
はぁ?どこがカッコイイのよ。どっからどう見ても変じゃない。
いや、髪型はまだマシか。 変なのは色の方だ。
黒髪短髪のツンツンソフトモヒカン。
そこまではいいんだけど、何故か毛先だけ異様に白い。金髪が更に抜けたって感じの色。
「なんか、富士山みたい」
「ブッ!!」
「ギャハハハハハ!富士山!!凛音、ナイス例え!!」
あたしと嵐ちゃんの会話を盗み聞きしていたのか、優音は飲んでいたコーヒーをコントの様に噴き出し、遊大は嵐ちゃんを指差して大爆笑。
「誰が富士山だコノヤロウ!!」
「イテテテテテ!言ったのは俺じゃねぇだろうが!!」
「ら、嵐さん!落ち着いて下さい!遊大が死にます!」
何故か怒りの矛先が遊大に向いたようで、ぶっとい腕で首を締められている。
それを優音が必死に止めているけど、あの優音が止められる訳がない。
「フーコ、富士山だって。おもしろいね~。あっ、今度富士山のてっぺんまで散歩しにいこっか~」
「………」
相変わらずのほほんオーラを放出している時人くんはフーコとお喋り。
フェレットを富士山のてっぺんまで連れていっても大丈夫なのか?なんてツッコミは敢えてしない。
何か言おうもんなら『凛音も一緒に行こうね』って言われるのがオチだからね。
それだけは避けないと。