Ri.Night Ⅲ


「遊ぶのはその富士山がなくなったらね」



同じような目には遭いたくないから、嵐ちゃんにとって無理だと思う条件を言ってやった。


これで遊ばなくても済むだろう。




「お前、また言いやがったな。俺様は富士山じゃねぇっつーの」


「どっからどう見ても富士山じゃん」


「じゃあ言わせて貰うけどな。俺様が富士山だったらお前等は青木ヶ原樹海だぜ!?」


「………」


意味分かんないんですけど。



「プッ」

「ククク……」



貴兄と慧くんは嵐ちゃんの意味不明な発言を聞いていたらしく、肩を揺らしながら必死に笑いを堪えていた。


反対側では優音が背後から遊大の口を思いっきり塞いでいる。



その様子に大体察しがついた。


きっと遊大が大爆笑しかけたのを優音が慌てて止めたんだろう。


なんて優しいんだ優音くん。


でも放っておいてくれた方が良かったかもしれない。


そうしたら遊大が嵐ちゃんの遊び相手になってくれたのに。



「えー、僕はどっちかって言うと河口湖の方がいいかなぁ~」


ってそっちかよ!


笑いもせず、真面目にそう答える時人くんに思わず心の中でツッコんでしまった。


すると、それに便乗する遊大と優音。


「俺、山中湖~」

「じゃあ俺は西湖ー」



……もう何もツッコまないでおこう。


時人くんを加え、四人でワイワイし始めたのをジュニアと二人で眺める。



あたし、何しに来たんだっけ………?

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