Ri.Night Ⅲ
そう思った時、コンコンと小さくドアを叩く音がして、それに気付いた貴兄が「入れ」と声を掛けた。
そろっとドアを開けて入ってきたのは、見た事のない男の子。
最近入った子だろうか。
「パーティーの用意が出来ました」
「そうか、分かった。すぐ行く」
貴兄がそう返事をすると、下っ端くんは丁寧に頭を下げて部屋から出ていった。
「さて、と、行くか!」
掛け声と共にスッと立ち上がった貴兄は、その場で「んー!」と背伸びをし、ドアに向かって歩き出す。
皆もソファーから立ち上がると、ぞろぞろとドアへと歩いていった。
「ねぇ、リン」
部屋から出ようとした時、隣にいた時人くんが話しかけられて、「何?」と返事する。
「リンはたらこと明太子どっちが好き?」
「は?」
たらこと明太子?
いきなり何を言い出すんだこの人は。
っていうか、たらこと明太子って一緒じゃないの?
「どっちも?」
よく分からなくて、適当に答えた。
その答えに「僕は明太子かな」とにっこり微笑む時人くん。
いや、だから意味分かんないんですけど。
これ以上突っ込むとややこしくなりそうだったから、笑って誤魔化しておいた。