Ri.Night Ⅲ


一階へ下りると、そこには溢れんばかりの人がいて、倉庫内はギュウギュウ詰め状態に。


人口密度高過ぎだろってちょっとゲンナリしたけど仕方ない。お祝いは皆でしなきゃね。




中心には会議室でよく見かけるような長方形のテーブルが並んでいて、その上には色んな種類の料理が置いてある。


女バージョンだったら絶対はしゃぎまくっているであろうこの状況。


だけど、この姿では少し違和感がありすぎてはしゃぐのを躊躇ってしまう。


まぁ、新入りさん以外はあたしが女だって知ってるんだけどね。


一応久しぶりだし、ちょっとは大人しくしておこうかな。





料理を見つめながらウズウズしていると、貴兄と遊大が前へ出ていくのが見えた。


倉庫内をぐるりと見渡した後、一呼吸置いてから挨拶を始めた二人。


メンバー達が待ちきれずにソワソワしているのを知っているのか、貴兄は挨拶を簡単に済ませると、手に持っていたグラスを天井に向かって高く上げた。


それを見たメンバー達が手に持っていたクラッカーを構える。



……ってあたし、クラッカー持ってないじゃん!!


気付いた時にはもう遅くて。


次の瞬間には「遊大おかえりー!」と貴兄の叫び声が倉庫内に響き渡っていた。


その声に、「おかえりー!」と叫びながらクラッカーを鳴らしたりグラスを鳴らし合うメンバー達。



一歩遅れたあたしはクラッカーを引くフリ(?)をして、同じように叫んだ。



……ってあたし、カッコ悪くない?


まぁ誰も見てないから良いけどさ。






そんなこんなで、いよいよ“遊大おかえりパーティー”が幕を開け、嵐ちゃんを筆頭に大騒ぎが始まった。


飲んで食べて暴れて歌って。


それはもう本当に凄かった。

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