Ri.Night Ⅲ
「潰れちゃったって事は寝てるって事だよね?」
「まぁ、そういう事になるな」
「そっかぁ……」
遊大寝たら起きないからなぁ。
どうしよう。帰ろっかな……。
一人になったら鳳皇の事ばかり考えそうだったから、遊大とはしゃごうかなと思ってたんだけど。
寝ちゃったんだったら仕方ないよね。
「──優音、凛音、此処に居たのか」
「……え、凌!?」
はぁ、と溜め息を吐いた時、部屋に入ってきたのはなんと真紀さんの息子、凌で。
「お疲れ。夏期講習終わったのか?」
「あぁ、ついさっきな」
突然入ってきたにも関わらず、大して驚いていない様子の優音。
え、ちょっと待って。
「優音!今日凌が来るって知ってたの?」
あたし知らなかったんだけど!
「あれ?言わなかったっけ?」
「聞いてないよ!」
「あー、悪い悪い」
悪びれる様子もなく、笑って誤魔化そうとする優音をジト目で睨む。
もう、優音ってしっかりしているようでしてないよね!
人の事よく抜けてるって言うけど、優音だって大概抜けてるんだから。
「なんだ、凛音。そんなに俺に逢いたかったのか?」
優音を睨んでいると、凌が向かいのソファーに腰を下ろしながらそう問いかけてきた。
その問いかけに「うん!逢いたかった!」と即答する。
「あ”?」
何故か優音がギロッと睨んでくるけど知らん振り。
「優音、凛音の事だ。どうせ宿題かなんかだろ?」
「そう!当ったりー!」
さすが凌。よく分かってるー!