Ri.Night Ⅲ

あ、そう言えば。


「ねぇ、下どうなってた?」

「下?野獣の住み処」

「野獣?」


あぁ、嵐ちゃんね。

相変わらずまだ暴れているのか。



「凌は遊んでいくの?」


遊大のおかえりパーティーに来たんだよね?


「いや、今日は貴兄に渡すもんがあったから寄っただけ。これから会社行かなきゃなんねぇんだ」


「そっかぁ……」


じゃあやっぱり此処に居ても仕方ないよね。

嵐ちゃんの餌食になりたくないし。





実は凌は獅鷹には入っていない。


大企業の御曹司である凌は、学校が終わったら会社に直行し、お父さんの仕事を手伝っている。


だから、獅鷹に行く時間がないんだ。



中学の時はまだ本格的に仕事の手伝いをしてなかったから、あたしと優音と凌の三人で獅鷹によく遊びに行ってたけど、高校に入ってからは本格的に仕事を手伝い始めたからそんな時間が無くなった。


貴兄はたまにで良いから獅鷹に入れよって言ったけど、凌は断ったみたい。


皆とは変わらず仲が良いから、時々顔を出してるみたいだけど。


この夏休みも勉強やら仕事やらで忙しいって貴兄に聞いてたから今日も来ないと思ってたのに。


いきなり現れてびっくりしたよ。

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