Ri.Night Ⅲ


貴兄は凌から封筒らしき物を受け取ると、「行くぞ」と言って先に歩き出した。


慧くんと凌は何やら話があるらしく、ここでお別れする事に。


「またね」と二人に手を振って、優音と一緒に部屋を出る。








「うわー」



一階へ下りると、それはそれは凄い事になっていた。


コンクリートの地べたに、大の字になって寝ている野郎共。


痛くないのだろうかとちょっと心配になったけど、スヤスヤと寝ているところを見ればどうやら痛くないらしい。


その間をすり抜け、倉庫の出入口へと向かう。


途中、一際デカイイビキをかいている嵐ちゃんを見つけたけど、起きたら厄介なのでそのまま素通りしておいた。




「あれ?リン、帰るの?」


倉庫から出ようとした時、背後から話し掛けてきたのは時人くん。


「時人くん!さっきはありがとー!」


「いえいえ。まだあるから今度来た時もあげるよ」


「あ、あは。楽しみにしとくね」


たらこと明太子、まだあるのか……。


さっきと変わらず定位置でぶら下がっている白いナイロン袋を見てハハハと笑みが洩れる。


賞味期限大丈夫なのかな……?
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