Ri.Night Ⅲ
45.導き
────…
倉庫を出れば空は薄っすらと暗くなっていて、振り落とされないよう貴兄の服をしっかりと掴んで空を見上げる。
どこまでも続いていく空。
この空は皆と繋がっている。
そう思うだけで胸がどうしようもなく締め付けられた。
嫌なこと全て消してくれたらいいのに、なんて、そんな有り得ない事を考えていた時、ふと耳に届いたのはバイクのエンジン音。
「……なんだ?」
どうやら二人も気付いたらしく、顔を見合わせてミラーを確認している。
あたしも腕を緩めて振り返ると、目に飛び込んできたのは車道に映る幾つもの光り。
「貴兄!」
嫌な予感がして、貴兄に向かって声を張り上げた。
「凛音!スピード上げるぞ!しっかり掴まってろ!!」
貴兄もオカシイと思ったのだろう。
優音に目配せをしてスピードを上げる。
「貴兄!!」
片側三車線ある大通り。
その大通りの十字路を通り過ぎようとした時、右側から数台のバイクが迫って来ているのが見えて直ぐ様貴兄に知らせるた。
「優音、次の通りを右に曲がれ!!」
優音にそう指示すると、貴兄はさらにスピードを加速させる。
後方から迫り来る眩い光り。
一体何者?
目を凝らして探るけど、ライトのせいで全く分からない。