Ri.Night Ⅲ

────…


「此処が高宮公園か……」


車を公園沿いに駐車させ、取り敢えず外へ出てみた。


公園の出入口には“高宮公園”と書かれている看板があり、公園の敷地内には木が生い茂っている。


木の間から公園内を見るけど何も見えない。


どれだけ広い公園なんだよ……。





「なぁ、俺等どこに行きゃいいんだ?」


陽がキョロキョロと周りを見回しながらそう問い掛ける。



「分かんねぇ。取り敢えず公園の中に入ってみるか?」



そう言った彼方は先に公園へと入って行き、その後ろを陽と壱が並んで入っていった。


それを目で追い、同じく歩き出そうとした時、ふと隣にいる十夜が動かない事に気が付いた。


一旦足を止め、十夜の様子を窺う。




十夜は公園を見つめていた。


視線を辿って行くけど特に何もない。


ただジッと公園を見つめているだけ。



その視線の先に何が見えているのか。


何を考えて見ているのか。



それはきっと───

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