Ri.Night Ⅲ
────…
「なぁ。俺等いつまで待ってりゃいいんだよ?」
公園内にあるブランコの前にある柵に腰を掛け、ユラユラと煙草を吹かせている俺達。
此処へ来て早一時間。
未だ公園には変化がない。
誰かが訪れる訳でもなく、ただ時間が過ぎていくだけ。
「俺、腹減った……」
空腹感に襲われた陽がお腹を押さえながら不満を洩らしている。
確かに腹減ったな。
スマホを取り出して時間を確認すると、午後六時半を過ぎた所だった。
俺等は煙草吸ってるからまだ我慢出来るけど、陽は吸ってねぇもんな。
さて、どーしたもんだか。
買いに行きたいのは山々だが、いつ凛音が来るか分からねぇし。
「なぁ、公園なら自動販売機があるんじゃねぇの?」
「あ、あるかもね」
彼方の言葉に壱がキョロキョロと周りを見回す。
けど、ここから見る限り自動販売機らしきものは見当たらない。
「向こうに行ったらここより大きい広場があるからそっちなら自動販売機あるかもしれないね。俺、買ってくるよ」
「俺も行く!」
壱の後ろを小走りで着いていく陽。
「待て」
「あ?」
歩いて行く二人を見ていると、突然十夜が待ったをかけた。
その声は彼方にも聞こえていたらしく、キョトンとした顔で振り向いた。
「近付いてくる」
首を傾けながらそう言った十夜に、俺と彼方は耳を傾けた。
「これ……」
彼方にも聞こえたのか、音が聞こえてくる方へ視線を向け、微かに聞こえる音を探る。
十夜に言われるまで分からなかった音は、今じゃ普通に聞こえるぐらいまで大きくなっていた。
このエンジン音、数台どころじゃねぇな。